北条地区(1)

春もやゝ景色ととのふ月と梅(松尾)芭蕉

 碑陰には、「維時明治四年辛未乃歳社中とはかりて之を営む 虎柳喜朝」とある。
 元禄6年(一六九三)春の作。「薦獅子集」に所収されており、許六稿本の『旅館日記』には「梅月」と前書きがついている。
 この句は「春」、「梅」と季語が重なり、更に「月」まで加わっていて、季語が三つあると言われる句であるが、全国各地に同じ句の句碑があり、県内だけでも今治市吉海町の「高龍寺」、越智郡上島町岩城の「円満寺」、松山市味酒町の「阿沼美神社」、八幡浜市矢野町の「八幡神社」にそれぞれ同じ句の句碑がある。

所在:松山市北条(法然寺)

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