北条地区(5)

馬方に山の名をとふ霞かな(仙波)花叟

 仙波花叟は、この句碑のある常保免に庄屋の長男として生まれる。地名の「常保免」は、常に租税が免除されていることを意味している。
 花叟は、子規の教えを受けた日本派の俳人で、教職に就いた後、伊予農業銀行に入る。大正4年(一九一五)に「時雨吟社」(のちの風早吟社)を創立し、風早俳壇の育成にも努めた。
 句碑は、昭和28年12月、花叟が句会に出席していた薫風吟社により建立された。
 この他、花叟の句で
  腰折といふ名もをかし春の山
の句碑が、鹿島公園内と松山市小川の閑林園に建立されているが、この句は北条地区のマンホールの蓋にまで刻まれている。

所在:松山市常保免(河野小学校前)

北条地区(5)番