北条地区(7)

涼しさや馬も海向く淡井阪(正岡)子規

 北条地区は、平成17年1月の二市一町の合併により松山市となったが、この粟井坂は、合併前の旧松山市と旧北条市の境に位置している。JR予讃線の粟井坂トンネルの上に残る細い道が昔の街道で、この山越えの道が「粟井坂」と呼ばれる本来の場所であった。
 句碑は、本来の粟井坂の麓、昔の国道で現在は県道347号線となっている幹線道沿いにある大師堂の敷地に建っている。
 この大師堂には、昭和34年春、村上壺天子書の「涼しさや馬も海向く粟井坂」の句碑が小川地区の有志によって建てられていた。
 ただ、「寒山落木」に所収されている原句が「淡井阪」となっていることから、これに忠実にするため、昭和52年1月に改めてこの句碑が建立され、古い句碑は大師堂の右奥に移された。
 なお、子規の句碑の横に、地元の俳人大森春如の句碑がある。天明4年9月8日、大森春如の子息によって小川墓地に建てられたが、昭和34年に現在の場所に移された。

所在:松山市小川(粟井坂大師堂)

北条地区(7)番