城北地区(2)

木槿むくげ 家ある限りはたの音(正岡)子規

 明治28年10月7日子規が人力車で今出の霽月を訪ねた日の記録「散策集」に、「ここは今出鹿摺とて鹿摺を織りだす処也」としてこの句が、「汐風や痩せて花なき木槿垣」の句と並んで出ている。子規句集明治28年秋の部にも、「今出村二句」としてこの両句が見え、本来、今出の地にふさわしい句だが、今はその地には機の音聞こえず、機の音にふさわしい当地に昭和53年4月19日に建立された。子規自筆拡大。この句碑の前に、鍵谷カナの胸像がある。
 句碑のある「伊予かすり会館」は、もともとあった紡績工場を改装してできた民間の観光施設で、絣の製作道具などを展示している資料館があるほか、昔ながらの絣の製造工程を見学したり、藍染めを体験することができる。

所在:松山市久万ノ台(伊予かすり会館)

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