城下コース(41)

石鎚いしづち南瓜かぼちゃの花も大いなり(富安)風生

 富安風生と本県との縁は、昭和7年、本県の俳誌「糸瓜」が、森薫花壇らによって発刊された時、同誌の雑詠選を風生に依頼したことにはじまる。
 昭和12年5月、逓信次官を退官して、7月、初めて愛媛を訪れ、まず新居浜に着いた時、愛媛の第一印象を詠んだのがこの句である。南国伊予の明るい大らかさを讃えた四国讃歌である。また、四国一の高嶺も偉大だが、一輪のかぼちゃの花の命も大きい、と見たところに、風生流の「花鳥諷詠」があるとも考えられる。「南瓜の花」は「夏」の季語。風生の自筆である。
 この碑は、門弟中西月龍(元松山市議会議長、昭和42年4月2日没)により、駅前広場の東北に、昭和27年9月建立、 10月12日除幕されたが、昭和55年、駅前広場の整備事業のため、駅前東南の緑地帯に移され、風生三回忌の前日に当 たる昭和56年2月21日、入魂式・除幕式が行われた。

所在:松山市大手町二丁目(JR松山駅前南側緑地)

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