城南地区(3)
松に高くある早春の風を聞く(森)薫花壇
薫花壇の第一句集「蟹目」(昭和32年刊)に所収されている句である。この句集名について、あとがきに「『蟹目』とは『魚眼蟹目』と熟し、茶道の方の言葉で、湯の沸く形容である。魚眼は大きな泡であり、泡の形が蟹の目の様になるのを蟹目といふのである。」と解説している。
薫花壇は、河東碧梧桐門下で句作をはじめ、のちに森田雷死久に師事、昭和7年に富安風生を選者に迎えて俳誌「糸瓜」を創刊する。以後、風生に師事しつつ、終生「糸瓜」を主宰し、伝統に根ざした愛媛俳句の普及と向上に貢献するとともに、句作と後進の指導に当たった。
昭和44年、県教育文化賞受賞。また、矯正施設の教化活動の功績により法務大臣から感謝状を受けている。
句集には『蟹目』のほか、『凌霄花』がある。
所在:松山市小村町(荏原公民館小村分館前)
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