城南地区(4)

山川艸木悉有佛性(河東)碧梧桐

 文字は「山川草木悉く仏性あり」と訓む。「草木国土悉皆成仏」というお経の文句とは違った、碧梧桐独自の言い回しもあって、「人間ばかりでなく、この世のすべてのものは、尊い仏さまになる性質をもっている」というような意味である。
 碧梧桐は全国大旅行の途中、明治43年(一九一〇)8月3日から10日までの8日間、温泉郡荏原村の大蓮寺で、当時の俳諧結社「金平会」の俳夏行に参加して、地方俳人達を指導した。その様子は「日本及日本人」に発表されている。
 当時の大蓮寺住職吉井師は、籠城と号して俳句をよくし、籠城と小僧時代から友達であった森田雷死久も、はるばる平田から俳夏行に参加した。
 この碑は、昭和53年9月、籠城の子、龍洲が、当時の金平会々員の子孫と計って、大蓮寺蔵の碧梧桐の独自の筆跡を拡大して作ったもの。石材は香川産の庵治石。

所在:松山市東方町(大蓮寺)

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