城南地区(9)
賽銭のひゝきに落る椿かな(正岡)子規
子規句稿「寒山落木」明治25年(一八九二)「春・植物の部」に、「椿神社」と題してこの句がある。この年、子規は東京でしきりに松山を偲んだ句を詠んでいる。
この句碑のある伊予豆比古命神社の伊予豆比古とは、伊予の国の最もすばらしい男性という意味。この社は、縁起を招く「椿祭り」で有名である。昔は旧正月8日の一日限りであったが、のち、7、8、9日三日間のお祭りとなった。句はその賑やかなお祭りの雰囲気を詠んだもの。江戸時代の『伊予二名集』に「椿森神社」とあるから、昔はその名のとおり、椿の森がここにあった。柳原極堂の書。
所在:松山市居相町(伊予豆比古命神社)
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