城南地区(11)
むかしむかし日本のくにに陽か照りて
父のこゑにてもみすりの唄(大野)静
まことに土の香ゆたかで、親しみ深い歌である。大野静の歌集『證』(昭和39年刊)の15ページには、この歌が「昔々日本の国に陽が照りて父の声にて籾すりの唄」という形で載っており、『證』のはじめの方に「彼岸・此岸」の項にあるから、初期の歌であろうか。大野静は上浮穴郡父二峰村(現久万高原町)の出身で、月刊歌誌「にぎたづ」を編集・主宰して、また愛媛歌人クラブ会長として本県短歌界の振興に努め九二歳の長寿を保った。永年の短歌界への功労を賞してこの歌碑が建立された。
この碑陰に、「薪火伝う。昭和四十九年春にぎたづ社中」とあるのでそのことがわかる。
所在:松山市居相町(伊予豆比古命神社)
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