城東地区(9)

松三代北向地蔵秋涼し(酒井)黙禅

 播磨塚バス停から北へ約五分くらいのところに、かつて市の天然記念物に指定されていた地蔵松(根まわり4.3㍍、目通り周囲5㍍、高さ12㍍)というクロマツがあった。松山市内には珍しい老大樹であったが、昭和53年枯れてしまった。
 そばの地蔵は右耳がないので片耳地蔵と呼ばれ、耳の病気が治るといわれている。当時八七歳だった黙禅が、樹齢400年の元気な時の松の姿を、北向きの地蔵とともに詠んだ句。昭和46年5月建立。地蔵松は、今は太尺寺集会所に、衝つい立たてに加工されて大切に保管されている。

所在:松山市北梅本町(太尺寺)

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