城下コース(38)

風呂吹ふろふきを喰ひに浮世へ百年目(正岡)子規

 明治29年(一八九六)冬の句で「明月和尚百年忌」の前書きがある。明月(一七一八―一七九七 享保3年―寛政9年)は山口県屋代島生まれ、一五歳から円光寺で修行、京・堺に学び、詩文・書に優れ、奇行も多かった。
 「風呂吹」は大根・蕪をゆで、練り味噌で食べる料理で冬の季語。昭和59年4月1日建立。
 なお、円光寺では12月の親鸞聖人を偲ぶ法要の際、「風呂吹き大根」を出して接待を行っている。

冬さひぬ蔵沢ぞうたくの竹明月の書(正岡)子規

 明治30年冬の句。「草庵」と前書きがあるので、この句は子規庵の室内を詠んだのであることがわかる。蔵沢と明月も当地の名筆であった。蔵沢は武士、明月は坊さん。子規のうちに蔵沢の竹と明月の書があり、その明月の書は、虚子の結婚記念に虚子に贈った。昭和59年7月22(明月の命日前日)建立。
 この2つの句碑の間に明月和尚の胸像がある。

所在:松山市湊町四丁目(円光寺)

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