三津コース(5)

其沢きたく 之塚   大原氏        (表)
 造作な(う)く共に消えりけり雪仏  (裏)
 嘉永元(一八四八)戌申十月二十四日            (左)

 明月や丸うふけ行
宗匠四時園其戎きじゅう翁之墓
 ものゝ影       辱友東洲生彜書

 親子二代の墓で、墓に句が刻まれている。この辺りは、一帯が小松原という墓地で、其沢、其戎の他に、その子其然の墓も並んでいたが、今はない。
 其沢にはじまり、四時園一、二、三世とそれぞれ称し、三代にわたって俳句の宗匠であった。
 万延元年(一八六○)、其戎はここに庵を開いて、芭蕉塚「あら株塚」(参照。)を建て、『あら株集』を刊行した。明治22年(一八八九)没。七六歳。
 なお、南江戸6丁目の松山市考古館の前にある「東之池」の土手に、「四時園其戎」の碑がある。

所在:松山市大可賀一丁目(三津大可賀公園)

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