三津コース(8)

われに法あり君をもてなすもぶり鮓
ふるさとや親すこやかに鮓の味
われ愛すわが豫州松山の鮓(正岡)子規

 松山鮓を詠んだ句を石碑にしたものである。副碑には、松山鮓にまつわる俳句の説明として、「松山には、昔から祝い事や訪問客をもてなす際に「ちらし寿司」をつける慣わしがあり、「瀬戸の小魚」をちりばめた「松山鮓」は、その中でも最高のもてなしであったといえます。」とある。松山鮓はもぶり鮓ともいい、「もぶる」は方言で「混ぜる」という意味。ちらし鮓と同意語である。
 なお、「われに法あり」の句は、夏目漱石が明治25年に初めて来松し、正岡子規の家を訪れたとき、母「八重」がもてなした松山鮓を大いに喜び、和服姿にあぐらをかいた子規の前に正座し、一粒もこぼさぬように礼儀正しく食べた様子を詠んだ句だと言われている。残りの二句も、同じく故郷の味である松山鮓を詠んだ句。
 句碑は、松山市水産市場運営協議会が水産市場二十五周年と小説「坊っちやん」発表百年を記念して建立。

所在:松山市三津ふ頭(松山市水産市場 門前)

三津コース(8)番