城下コース(8)

城山や筍のびし垣の上(柳原)極堂

 昭和21年秋、松山、正宗寺で「ホトトギス」600号の記念句会があった席上、虚子の句碑を正宗寺内に建立する事が決まった。その時、虚子は、「ホトトギス」の創刊者柳原極堂を讃えて、「極堂の句碑も頼むぞな」と言い、たいへんうるわしい光景に参会者はいたく感動した。
 その時の虚子の句碑(「笹啼き」の句碑)は、昭和24年に建立されたが、極堂は、「自分の句碑を建てるくらいなら、子規の句碑を建ててほしい」と断り続けた。それほど、極堂は、子規顕彰のことに一生を捧げた、純真、無欲な人であった。
 この句碑は、その極堂翁の人柄を偲んで、翁の一周忌の祥月に建てたものである。極堂筆。松山版「ほととぎす」第7号(明治30年7月)所載の句で、それには「筍」が「竹の子」となっている。極堂翁数え年三一歳の時の句である。
 昭和33年10月26日建立。

所在:松山市一番町三丁目(萬翠荘への途中右側)

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