風早一茶の道コース(6)

門田兎文とぶん邸跡

 1月14日、五井邸を出た一茶は、1㌔㍍ほど離れた八反地村(現松山市八反地)の庄屋、兎文、別号暁堂邸を訪ねて一泊し、歌仙を巻いて大いに楽しんだ。兎文は本名門田与左衛門と言い、文化6年(一八〇九)に没している。

門前や何万石の遠がすみ   (小林)一茶

「歌仙を巻く」とは、句会の参加者が次々と句を詠んでいき36句で区切りをつけるもので、おそらく最初の発句は、座に招かれた一茶が詠んだのであろう。門前とは近くの栄昌寺と言われる。
 翌15日、兎文邸を出た一茶は、その日のうちに松山城下、栗田樗堂の二畳庵に到着している。
 なお、松山からの帰路、2月11日に再度兎文邸を訪れている。この時は3泊もしており、とても居心地が良かったようである。

所在:松山市八反地

風早一茶の道コース(6)番