三津コース(2)

泉への道おくれゆく安けさよ  (石田)波郷

 昭和27年に詠まれた「春嵐」に所収の句。石田波郷は、本名哲大、温泉郡垣生村生まれ。五十崎古郷に入門し、古郷より「波郷」の号を与えられた。
 石田家が定秀寺の門徒であったことから、境内に波郷の句碑が建てられた。場所は分かりにくいが、本堂の前、「本願寺第二十四代ご門主ご巡回記念」に植えられた「印度菩提樹」の後ろにある自然石にこの句が刻まれている。
 また、境内には次の句碑がある。
◎花の道後ろむく氣の捨てたりけり   (藤岡)花朝
 藤岡花朝は、本名勇次郎。中島の生まれで、三津浜に移り住んだ。
◎堂成りて銀杏三百五十年      (五十崎)杏冲
 五十崎杏冲は、本名夏次郎。三津浜の生まれで、朝日新聞の記者であった。

所在:松山市神田町(定秀寺)

三津コース(2)番