三津コース(12)

梅が香やおまへとあしの子規真之しきしんし(酒井)黙禅(正面)

 戦前、道後公園に建て、昭和38年、石手寺に再建された秋山真之の銅像は後ここへ。句碑は石手寺から銅像と共に移したもの。銅像も句碑も、愛媛海友会によって昭和38年5月12日建てられたもの。「おまへとあし」は、「君と僕」の伊予方言。連合艦隊司令長官の参謀で「智謀湧くが如し」といわれた名将。海軍中将。同じ石碑に刻まれている「天気晴朗」云々の名文は彼の手になる。子規より一歳半年下の竹馬の友。共に松山中学や大学予備門に学び、神田、猿楽町の下宿に同居した。子規は彼を「剛友」と評し、戯れに、「七変人」の一人に数えた。後、真之は海軍兵学校に進み、明治29年、米国に行くのを見送る子規の句に、
 「君を送り思ふことあり蚊帳に泣く  子規」というのがある。
 少年子規と真之、真之の兄好古の三人の姿は、司馬遼太郎の小説『坂の上の雲』にまざまざと描かれている。鉄道線路脇の小山の上に兄・秋山好古陸軍大将の像がある。

所在:松山市梅津寺町(梅津寺公園)

三津コース(12)番