三津コース(13)
興居嶋へ魚舟いそぐ吹雪哉 (正岡)子規
子規明治25年の句。子規句稿「寒山落木」巻一の明治25年終わりの冬のところに見える。伊予鉄高浜線の梅津寺駅と高浜駅の中間、高浜線の上にかかる昭和橋の改修が平成元年9月に完成した。この橋の畔の横にこの句碑が建立されている。碑陰には一切記録はないが、この橋の完成を記念したものではなかろうか。子規自筆の拡大。
子規が興居島を詠んだ句はいくつかあるが、島を訪ねたことはほとんどなかった。ただ、明治16年春の 遊興居島
舟維翠柳碧桃湾 竹杖独将探勝寰
山上人家識多少 鶏声遥在白雲間
(読み下し文)
興居島に遊ぶ
舟は維ぐ翠柳碧桃の湾 竹杖独り将りて勝寰を探る
山上の人家多少を識る 鶏声遥かに白雲の間に在り
という漢詩があり、また明治18年7月28日、友人と厳島神社(宮島)に早朝三津浜港を旅立ったときに、船上で
こゝ島をはなれもやらぬ波の上に はやみまほしき厳しま哉
と詠んでいる。
所在:松山市高浜一丁目(昭和橋)
三津コース(13)番