道後コース(14)

南無大師石手の寺よ稲の花(正岡)子規

 「行く秋や手を引きあひし松二木」「若鮎の二手になりて上りけり」の句碑はいずれも昭和8年、「朝寒やたのもとひゞく内玄関」の句碑は昭和9、10年頃の建碑。これらの三つの句碑に次いで昭和13年に建てられたもので、数少ない戦前の子規句碑の一つである。子規句稿「寒山落木」の自筆の拡大。
 この句は「散策集」にあり、明治28年9月20日午後、「今日はいつになく心地よければ折柄来合せたる碌堂(極堂)を」さそって、愚陀佛庵から玉川町を通って石手川の「土手に取りつきて石手寺の方へは曲りける」として、この句がある。 この句のあと、二人は「山門の前の茶店に憩ひて一椀の渋茶に労れを慰」さめることになる。
 この碑はもと石手川の遍路橋の北側にあったのが、のち、石手寺参道の東に西向きに据えられ、今は、少し北寄りに移されて南向きに置かれてある。隣に前田伍健の川柳碑「鎌倉のむかしを今に寺の鐘」がある。

所在:松山市石手二丁目(石手寺参道右)

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