道後コース(18)

地の底に出湯の流れ山粧ふ(吉野)義子

 この句碑は、吉野義子の喜寿を記念して、門下生と家族によって平成3年11月に建立されたもの。
 碑陰には、
 「正岡子規と親交ありし小川尚義五女 「星」主宰吉野義子喜寿記念」
とある。
 義子の父、小川尚義は、言語学者で台湾語研究者。東京の第一高等中学校予科に入学したとき、同郷の先輩であった子規と親しくなった。尚義は、その後、帝国大学文科大学博言科(現東京大学)を卒業、台北帝国大学教授となる。趣味として能楽を楽しんだという。
 なお、義子は幼くして母方の伯父吉野一知の養女となり松山に来た。兄小川太郎の影響を受け、昭和23年に大野林火主宰の俳句同人「濱」に入会、昭和29年には濱同人となり、昭和54年、「星」を創刊し主宰した。

所在:松山市道後鷺谷町(宝荘ホテル玄関)

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